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ブログ2021.10.15
オーセンの「うわえり」
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
皆様、上衿(上襟 うわえり カラー)ってご存知でしょうか。
読んで字の如くですのでお分かりかと思いますが
スーツのエリというと一般的に
ラペルを指す事が多いと思うのですが
そのラペルの上側の衿のことをカラー、または上衿と言います。
我々オリジナルの型紙である
Prestige LineのAuthen(オーセン)が
肩ののぼりに優れるワケが
実はこの上衿に隠されています。
今回のオーセンの改良として
この上衿にシャクリを加えてより有機的に仕上げたと
すこし触れさせていただいておりますが
実はオーセンに関しては
ビスポークに用いられることが多い
リネン100%の襟芯を据え上襟はかたちにしております。
ここにしなやかな芯地を用いれば
ハギのない1枚襟でもかたちにすること自体は容易なのですが
これがハリのある麻素材を一枚衿で
プレスをして伸ばしながら
首元を構築するにはかなりの技術を要する箇所ですし
工数も手間も多分にかかります。
ですがそれでもこの芯にして
大正解だった思っております。
理由は抜群の型崩れ防止効果とハリや重量があること
それが我々が作りたかった
スーツ(ジャケット)の設計によくマッチしているのです。
手間をかけて熱と圧力(プレス)を加え
なんとかかたちにすれば
そこからは凄まじいホールド感があり
襟元がそれ以上伸びたり、浮いたり、を起こさないのです。
抜群の型崩れ防止効果を得られるということです。
上記の画像を見ていただいても
平置きをしても首周りだけは
寝ることなく構築的で
首がそのまま入りそうな立ち上がり方をしているのが
お分かりいただけるかと思います
ですのでオーセンの襟元をこのように
お触りいただくと
私たちがよく知るあの麻のハリと重さを
お感じいただけると思います。
そしてその特性が
オーセンの高い襟と
小さい襟ミツ(ジャケットにおけるネックサイズ)と
相まってオーセンの美しい肩ののぼりを生んでいます。
もしここがソフトな上襟なら
襟が高ければ首の動きなどで
すぐに襟芯が折れます。
実はこの一枚衿でありながら
オールリネン(麻100%)の芯を使い
成形してある上衿こそが
なんとも地味に思われるかもしれませんが
このAuthenの最も大事なコアの部分です。
オーセンはこれまでよりも重くなりましたが
それは=スペックの高さからくる重量です。
もうお仕立ていただいている方も
ぜひこの上襟にご注目を。。
新宿店 豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長