Blog

ブログ

2025.01.26

オールシーズンなど存在しない。

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

皆様こんにちは。

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

 

先日、半年位かけて読んでいた

本を読み終わりました。

かなり説明の難しいものなのですが

私なり一言でまとめると

現存在的自由について

究極的に突き詰めた内容

なのかなと思っています。

 

さて、本日はこちらの紹介。

 

木村,スーツ,オーダー,クラシック,スリーピース,英国,ステッキ,ハット,ブラウン,ヴィンテージ

 

生地には様々な種類があります。

 

色、柄、硬さ、重さ、素材など、、、

その中でも実用面を考えた時に

重要になってくる事として

その生地がどの季節に

向けたものなのかというものがあります。

 

よく一年中着る事の出来る

スーツが欲しいという話や

「これ1着で大丈夫」

なんて文言でオールシーズンスーツという

ものを見かけます。

 

さてさて、果たして

本当にオールシーズンスーツ

などは存在するのでしょうか。

 

結論を言います。

 

そんなものは存在しません。

 

そもそもですが、オールシーズン着る事の出来る

スーツ、あるいは生地というのは

具体的にはどういう物でしょうか。

 

それは、夏に着ても暑くなく

冬に着ても寒くないもの、、、

そういう事になろうと思います。

 

では、昨今の日本の気候は

どのような感じでしょうか。

 

夏場は35℃を超えるような気温で

冬場は0℃を下回るような気温です。

 

その気温差は実に35℃以上あるなかで

そのどちらに対しても有効な

魔法の様な素材はありますでしょうか。

 

そうなんです。

 

しっかり冷静に考えてみると

オールシーズンスーツというのは

そんな魔法のスーツを求める事なのです。

 

では、巷で売っている

オールシーズンスーツとは

なんなんでしょうか。

 

それは、夏にはやや暑く

冬にはやや寒く感じる位の

言うなれば春物や秋物と言えるような

中肉程度の生地で作られたスーツなのです。

 

ですから、オールシーズンスーツ

とは言っても結局は夏か冬かの

どちらか(あるいはその両方)を

我慢して着て下さいというものになるのです。

 

ファッションを楽しむには

お洒落に見える為には

季節感を意識する事がとても大切であり

お洒落というのは本質的には

実用性とは相反するものです。

 

夏は麻やモヘアの素材を

春はペールトーンの色を

秋はダークトーンの色を

冬はフラノやツイードの素材を、、、

他にも様々な物がありますが

折角、四季のある日本に

生まれたのでしたら

それぞれの季節を楽しむ事が

粋であり、お洒落だと私は思います。

 

良くお洒落は我慢なんて

言ったりしますから

そのこと自体は理解されている方も

多いかと思いますが

全てのシーズンを賄うというのは

実はとても実用性に傾いた考えなのです。

 

また、オールシーズンスーツは

その通りに受け取って

一年中着用をしてしまえば

あっという間に痛んでしまいます。

 

ダメになったら買い替える

そのような考え方も

あるかもしれませんが

私は良いものを愛着を

持って長く着る方が

美しいと感じます。

 

勿論、上記は全ての人に

当てはまるものではないでしょう。

 

仕事柄スーツを着る機会が

極端に少ない方や新社会人の方は

そう何着もスーツを持つ必要性は

高くありませんので

少ない着数で長く着られるものを

揃えるのもありだと思います。

 

(それでも、個人的には

春夏秋冬で1着ずつ位は

揃えておいて欲しいですが)

 

逆に言えば、そうではなくて

一定着数以上のスーツを持っている

その必要のある方には

全てとは言いませんので

各シーズンに合ったものを

多少なりともワードローブに

揃えていただきたいです。

 

この文章を読んでいただいた

皆様にはぜひとも四季を

楽しんだ装いして欲しいと思います。

 

 

 

銀座店 木村

 

 

 

コートの着丈の正解はどこか?

ジャケパンにベストが必要な理由。

私物のシャツ紹介と小話

私がオススメしない理由と、、、

私がクラシック、オーセンティックを薦める理由。

自分と自信を持つことの大切さ。

「服を着るのなら、今この瞬間から」

スーツの着丈について思う事。

スーツのクリースについて思う事。

最近のスーツは太くない。

股上と股下が変わると見た目は、こう変わる。

本切羽は、外さない。

理想のスーツのサイズとは。

靴下の長さと色と柄について思う事

似合わない色とは何か。