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2025.02.12

【重要】シャツは水を通してからご着用ください。

【Tailor Fukuoka Kichijo-ji Blog】

 

皆さまこんにちは!

テーラーフクオカ吉祥寺店の斉藤です。

 

なんだか某動画サイトの釣りサムネみたいな

ブログタイトルがついておりますが、

釣りは釣りでも、

読んだらお釣りがくるほどイイ話!です

(ますます怪しい)

(そしてちょっと長いブログです)。

 

 

シャツをお作り頂き、

ご納品の際に毎度お伝えしておりますのが、

ブログタイトルにもなっている

「水通しをしてからご着用ください」

という文言。そうお伝えする理由を

3点👌挙げさせていただきます。

 

①衿・カフスの「仮接着」状態から解放して

着心地を良くするため。

着始めのシャツの衿やカフスが硬く、

釦の留め外しがしづらいなぁ

という経験はありませんでしょうか。

 

 

仕立て上がり直後のシャツは

芯材が仮接着状態となっているため

パキパキとして硬いです。

 

 

水を通してあげると、接着が解け落ちて、

だんだんと柔らかくなっていきます。

綿素材本来の風合いを感じるに至るには、

最低3回は水通しを経てからになりますかね。

 

 

↑3回洗い後の同じシャツです。

(私の好みの風合いになるには、

5回以上は洗いを経ないといけない印象・・・)

 

②綿の縮みを促進し、正しいフィット感にするため。

綿素材の特性上、洗いをかけると

生地の縮みが生じますので、フィッティングの際にも

お伝えしているかと思いますが、

その収縮を加味したサイジングにて

シャツを作成しております。

 

サッカー生地 シアサッカー サッカーシャツ サッカーロンスト サッカー無地

 

そのため、洗いをかけていない状態では、

ジャストフィットに対して、

丈はやや長く、身幅はややゆるくなっているはずです。

これも3回ほどの洗濯までは生地の縮みがみられますので、

オーダーシャツの本当の完成は

数回の洗いを経た後ということになります。

 

③が一番大事なポイントで、

新品の「おろしたて」感を緩和させるため。

水通しを経てないシャツは、

一見衿もカフスもパリッとしてますし、

当然シワも入ってないので

とてもキレイに見えると思います。

 

 

ただ、身頃にくっきりと畳ジワが残ったままだったり、

パキパキと硬そうで生地馴染みのない衿やカフスでは

「いかにもおろしたての新品シャツ」感が強く出てしまい、

キレイなシャツなのに、かえって野暮な印象に・・・。

 

 

身に着けるシャツも

少しヤレているくらいの方が

年齢を重ねた自分の見た目との

均衡が保てるようになりますし、

「着こなしている」感、「わかってる」感

が自然と生まれていきます。

 

デニムシャツ エイジング

右のシャツの方が「わかってる」感がある。

伝わりますかね?笑

 

私の故郷では生地がヤレていること

(張りがなく、くたっとしてきた様子)を

「そじている」「そじてきた」と言います。

人も洋服も多少“そじてきた”くらいの方が、

いい塩梅に粋でいなせだと思います。

 

デニムシャツ エイジング

 

世に出回るシャツに使われる素材の多くは

綿(コットン)素材を使用しております。

その綿の特性として、耐久度が高く

劣化しにくいという側面を持っているため、

下着などの日常着にも多用されており、

基本的には家庭用洗濯機での日常洗いに関しては、

全く問題がありません。

 

シャツ 洗濯 脱水 洗い方

 

およそ1万円のシャツを

グルングルン洗濯機で回すのは

気が引けるかもしれませんが、

強い溶剤や高圧のプレスを用いられる

クリーニングに出すよりも

はるかにシャツにとって優しいケア方法となるため、

基本的には自宅でのお洗濯を推奨しております。

(色が落ちやすいもの洗う際の

移染は気をつけてくださいね)

(乾燥機もおすすめしません。あくまで自然乾燥が◎)

 

 

そして、何度か洗いを繰り返したのちに

生地の収縮と縫い糸の収縮の差異によって生まれる

前立てや袖付け周りのこのポコポコ👆。

何度もブログで記載しておりますが

「パッカリング」と呼ばれる現象です。

 

 

人によってはみずぼらしくみえてしまい、

アイロンでプレスして平らにしているようですが、

これこそシャツが良く育っている証であり、

こなれたシャツを着こなしている認定を

してもらえるポイントでもあります。

なくしてしまうのはもったいないですし、

プレスの手間をかけずに済むわけですので、

ぜひそのままにしてご着用ください。

 

袖口周りのプリーツもこなれた風合いを生かすなら

ノンプレスがイケてますよ。

 

綿本来の風合いを守るためにも、

本来のエイジングを重ねるためにも、

少々手間になるやもしれませんが、

ご自身でお洗濯いただくことが

最良の手段だと思っております。

 

↑は以前にも掲載したサファリジャケットの洗い上がりです・・・

 

一番初めは洗剤を入れる必要もなし。

雑多に洗濯機に入れて、脱水もしてしまう。

あとはハンガーにかけてシワを伸ばしながら、

干して、自然乾燥。

さらにはパッカリングを残すためにも、

端々までの入念なアイロンがけは

そこまで必要ないときた。

何もめんどうなことはないのです。

 

【重要】シャツは水を通してからご着用ください。

 

ぜひ実行してみてください!

 

斉藤