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2015.06.26

本格靴の製法~続々々・グッドイヤーウェルト製法~

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

夏至も滞りなく終え、

本格的な夏へと

いざゆかんとしている昨今でありますが、

皆さまあの暑さへの備えはもうお済みでしょうか。

無駄に足掻くとしましょう。全力で。

 

皆さまこんにちは。

銀座店の靴男爵こと斉藤です。

 

夏の道はゆっくり歩くのが斉藤のモットー。

なるべく汗を発生させたくないがゆえ。

しかしゆっくり歩くということは

その分肌が太陽に晒される時間が

長くなるということ。

紫外線の餌食斉藤。

このジレンマに苛まれつつ

過ごすのが斉藤の夏。

「あ、なんかあの人日陰をゆっくり歩いている。」

・・・斉藤です。

集中しているので顔が怖いかもしれません。

ご了承ください。

 

というわけでだいぶお待たせしております

第4回斉藤靴ブログであります。

間も空いてしまったので前回の靴ブログより

前々回、前々々回ブログをご確認ください。

復習は大切です。

 

お約束していましたとおり

今回は「サイジング」についてです。

「フィッティング」と言ってもいいでしょう。

つまり、靴のサイズを

どのように設定するかということ。

これも靴の製法が

大きく関わってくるところであります。

 

斉藤の靴ブログを欠かさず

ご覧になられている皆さまは

グッドイヤーウェルト製法については

もう熟知しているはずです。

なのでも細かい説明はいたしません。

端的にお伝えします。

 

グッドイヤーウェルト製法の靴は

履いていくうちに中の詰め物(主にコルク)が沈み

足になじんでまいります。

そしてしっかりと鞣しが施されている

堅牢な革が使用されているとはいえ、

元は動物の皮。徐々に伸びてまいります。

 

Tricker's01

 

鋭い方はもうお気づきでしょう。

そう、履いていく間に

サイズに変動があるということです。

それも小さくなることはありません。

詰め物の沈みと革の伸びにより

上下左右に広がりをみせる素質を

持ち合せているのです。

経年変化(エイジング)と共に

大きくなる一方なのです。革靴というものは。

 

これらを理解してもらえればもう話は早いです。

つまり購入の時点で

自分の足にピッタリこの上ない靴が

履いていくうちにブカブカこの上ない靴に

変わっていくということです。

高い買い物なだけに恐ろしいですね。

 

要するに

自分のサイズより小さめのものを

買えばいいんだとなんとなくは

わかっていただけたと思います。

まだまだ話足りないのですが、

このままだと長い昼間を超えて

夜明けを迎えてしまうので、

次回斉藤自身が英国にて

学んでまいりました英国式サイジングを

写真と共につらつらとご紹介させて頂きます。

乞うご期待。