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ブログ2015.10.29
スーツのジャケットを単品使いしたい方へ
【Tailor Fukuoka Aoyama Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ青山店の豊島です。
最近のスーツ生地は面白い素材感を
もった無地が多く出まわるようになりました。
ざっくりしていて
一見、ジャケット生地のようなものです。
例えばこちらは
今期仕入れたエルメネジルド・ゼニアのスーツ生地です。
ボックスぽい織り上がりになっているのが
分かると思います。
きっとこういった生地が多くなる傾向は
しばらく続くと思いますが
そうなると増えてくるご要望が
“スーツとして作っておいて
ジャケットとしても使いたい”
というお声。
オーダー慣れされている方から
このようなご注文をよく承りますが
ここは※注意※が必要です。
そもそもスーツ用に作られたジャケットと
ジャケット用に作られたソレとはカタチが異なります。
その違いを簡単にまとめますと以下のとおりです。
【1】着丈
スーツ用のジャケットに比べて通常のジャケットは
着丈がやや短めになっていることがほとんど。
したがってスーツ用のジャケットは
単品使いではやや長く感じられると思います。
【2】フロントカット
スーツジャケットの場合は
このように直線的であることが多いのですが
ジャケットはやや丸めに大きく
フロントカットを入れることが多いです。
軽やかな印象になるからです。
【3】肩先のかたち
上の写真は極端ですが
スタイルによるもののスーツの場合は肩先を
しっかりみせるため尖らせます。
(ビルドアップ・コンケープ・スクエアなど)
一方、ジャケットは上のように
丸く落としたような肩先のカタチが一般的です。
ちなみにこちらにはパットも入っておらず
マニカカミーチャ仕上げですので
肩先から腕のラインが
そのままショルダーラインになります。
【4】デザイン・ディテールまで…!
その他に
ステッチの打ち方や脇のポケットの仕様など
さまざま異なるディテールがございます
ここは好みによって分かれるところですが
ステッチ巾を0.7cmほど太くしたり
腰のポケットを外付けのパッチポケットにするのが
一般的なジャケットの仕様です。
このようにスーツのジャケットと
単品のジャケットとは
オーダースーツ屋としては似て非なるものです。
なので
もしこれから単品使いをお考えの場合は
その旨をスタッフまでお伝えください。
ジャケット単品としてお使いになる
頻度にもよりますが
スーツとしても、ジャケットとしても
着用されてそれらしく見えるデザインを
ご提案させていただきます。
青山店 豊島
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Tailor Fukuoka
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長