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2016.01.18

本格靴の製法~グッドイヤーウェルト製法・外~

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

今年は暖冬ですね!

なんて1人つぶやいたのも束の間。

東京でもしっかり積雪を記録いたしました。

積雪模様は下記同期船本ブログを

参考にしてみてください。

 

皆さまこんにちは。

銀座店の靴探究家こと斉藤です。

 

長らくお待たせいたしました。

今回斉藤靴ブログ、第5回目となります。

いやはや、いつぶりだったかなあと

過去ブログを見返してみたところ

去年の6月以来の様です。

なんと半年以上時が経過しておりました。

九九を覚えたての子も、

とっくに定着しているくらいの時の経過ですね。

いやー子どもの成長は早いものです。

待ち遠しかった方々、

罪な斉藤をどうかお許しください。

 

そして今回は予告通り、

英国式サイジングについてです。

そう、ただのサイジングではありません。

革靴の本場英国にて学んできたサイジングです。

 

あれはよもやの2年前。

ありあまる余暇を手にしていた

大学生斉藤は、その身分をしっかり

有効活用し、憧れの英国へと飛び立ちました。

(この件についてはいつかのブログ

触れておりますので、割愛につぐ割愛。)

 

そして降り立った聖地ノーザンプトン。

目的はもちろん名だたるシューメーカーの

ファクトリーショップ。

 

そして入口が見つからず、ぐるんぐるん

回ってやっとこ見つけたのが、

カントリーブーツで有名なトリッカーズ。

 

DSCN1726

 

中に入るや否や、見覚えのある靴ない靴がずらり。

とりあえずサイズ別に並んでるので

気に入ったものを手に取り、

自分のいつものサイズを試着。

(さらっと書いてますが、ここに至るまで

けっこうな時間を要しました。)

 

そうするとデイヴィットにこう言われるわけです。

ん?ああ、デイヴィットはこちら。

 

DSCN1725

 

とても陽気で、日本人慣れもしている

ファクトリーショップ担当(?)の英国人です。

(ちなみに左に見切れているのは私斉藤本人です。

事務所NGが出てしまい、顔出し出来ませんでした。

悲しまないでください。)

 

そのディヴィットがあきれ顔でこう言うわけです。

「トゥービッグダネ。大キスギルヨ。」

もちろん斉藤的にはちょうどいいと思っております。

ゆえに英語を是としない斉藤は

ええええ~っていう顔で表現するわけです。

するとデイヴィットは、

おもむろに靴の甲の部分をグッと押しながら

「ココガネ、コンナニネ、浮イテイル状態デハ

英国人ハネ、絶対ニ買ワナイヨ」

まさに青天の霹靂。

そんなサイジングでは売らないよと

いわんばかりのデイヴィット。

 

もうなるようになれと

「フルブローグ ダイナイトソール」

斉藤はこの言葉だけを伝え、

「オーケイ」

と言い残して、工場の奥へ向かうデイヴィット。

箱をいくつか手にして戻ってきたはいいものの、

それらのサイズは普段より2サイズ小さいもの。

これなら売るよーと

いわんばかりのデイヴィット。

今までに履いたことのないサイズ感でしたが、

デイヴィットを信じて購入しました。

 

梱包作業をしながらデイヴィットは、

「日本人モヨク来ルケド、ミンナ大キイノヲ

買ッテイクンダヨネー。」

このとき斉藤は思ったわけです。

この度は英国靴と共に英国人の精神性も

一緒に購入したのだなと・・・。

 

というわけで2年この靴を履いているわけですが、

デイヴィットへの感謝の念が

絶えないのは言うまでもありません。

もちろん最初は泣きわめくほどの苦痛を伴いましたが、

あのときちょうど良いもの買っていたら、

絶対後悔していたと思います。

 

というわけでとてもとても長くなってしまいましたが、

第5回斉藤靴ブログこれにて終了といたします。

これまでグッドイヤー・ウェルト製法に

スポットをあててまいりましたが

次回からは違ったテーマで書かせて頂こうと思います。

乞うご期待。

 

※デイヴィットは日本語が話せないので、

友人に通訳してもらっています。あしからず。

 

 

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