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2017.01.16

AMFステッチのススメ

【tailor fukuoka ginza blog】

 

みなさま、こんにちは。

銀座店の嶌野です。

 

本日はスーツでも大定番の仕様、

AMFステッチについておはなしします。

 

AMFステッチは

別名ピックステッチとも言いますが、

要するに襟やポケットの周りの

手縫い風ステッチです。

 

テーラーフクオカ 評判のAMFステッチ パイピングチーフ

 

こちらの画像はわかりやすいように

色糸を使っていますが

通常は生地の色と同じ色で

衿のフチぎりぎりにステッチを入れます。

 

元々は手縫いで入れていましたが、

手縫いで均質なステッチを入れるには

相当な熟練の技と時間を要するので

今は手縫いで入れているところは

ほとんどありません。

 

もちろん、ミシンを使っても

綺麗なステッチを入れるには

それなりの技術と手間はかかりますが

かんたんに綺麗に仕上がる

ミシンステッチが主流となりました。

 

 

 ミシンによるAMFステッチは

ゆっくりと、無理な力がかからないように

縫うことで手縫いの風合いを再現しています。

ミシンでこの手縫いを再現することに

見事成功したのが、

アメリカン・マシン・アンド・ファンドリー社。

(American Machine and Foundry)

 

一時期はあのハーレーダビットソンを傘下に入れ、

スキー板から原子炉まで作っていたという大企業です。

AMFステッチミシン

 

その会社のミシンで入れるステッチですから、

AMFステッチといいます。

 

 

さて。

ここからが本題です。

ステッチを入れることで何が変わるのか。

私は2つのポイントがあると思います。

 

①襟が綺麗に見える

 

スーツの襟には立体感を出すため、

少し硬めの「バス芯」という馬毛の芯が入ります。

 

表の布地とは縫い止めていませんので、AMFで縫い留めることで

芯と馴染ませ、ふんわりと折返った襟になります。

 

この衿の返りがぺたんこだと

しっかりした芯をつかっていない、

ぺらぺらのスーツに見えてしまうことも…

(お値段の安いスーツだと

ポリエステルの芯を表の生地と糊付けしている場合もあります。

衿にはしっかり着きますが、返りが潰れてしまうと戻らないので、

キープするのが難しいのです。)

 

立体感を長期間キープしやすくなるのも

嬉しいポイントですね。

 

 

 

②デザインのアクセントに

 

手間のかかった縫い目が

お顔まわりに出ますので、

ちょっとしたアクセントに。

 

縫製に手間をかけたスーツを着ている

つまり、それなりにスーツに気を使っている人

という印象が簡単に演出できるのもメリットですね。

 

無地のスーツでは特に、

ステッチの有無で雰囲気が変わります。

 

ちょっとカジュアルに見せたいジャケットなどは

上の写真のように

少し内側にステッチを入れたり

色を変えたりして

よりカジュアルに仕上げる方法もあります。

 

AMFステッチ

 

見た目の印象も左右するAMFステッチ。

入れた事がない方は、

ぜひ一度、お試しください。

 

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