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ブログ2019.11.30
オーダーの種類①-フルオーダー編-
【オーダースーツ TailorFukuoka Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ銀座店の豊島です。
顧客様よりいただくお声で
「フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーって
どこがどういうふうに違うんですか?」
と耳にいたします。
確かに私もこの業界に身をおいていなければ
きっとよく分からない部分であったと思います。
そこで改めてこちらに書かせていただきます。
まずオーダースーツの方式というものを
最も簡単に分解するとこの3つです。
フルオーダー(およそ¥180,000~)
イージーオーダー(およそ¥30,000~)
パターンオーダー(およそ¥20,000~)
まずフルオーダーとは
一顧客のために型紙をおこし
仮縫いでのフィッティングを経て
基本的にはハンドソーンにて(ミシンを使用する部分はあるものの)
縫い上げ完成するものです。
(ただし仮縫い=フルオーダーとは理解をしてはなりません。
あくまでもフルオーダーに古くから用いられてきた
フィッティング方法の一部です。
ですからイージーオーダーであっても用いられる場合もございます。)
↑かつてTailor Fukuokaに在籍をしていた職人の縫製風景
基本的にはとても手間のかかる方法で
フルオーダーでスーツを誂えるいうことは
そのテーラーの技術と手間(そして生地)にお金を払うということ。
もちろん生地によっても、時代よっても違いますが
およそ1~1.5人分の月給を払うくらいのイメージです。
納期も仮縫いが入ったとすれば大体2.5~3.5ヶ月。
イタリアのサルトなんかですと半年~1年程度
混んでいれば数年後とかというのも
伺ったことがあります。
何年か前にオックスフォード大学の研究論文で
“将来なくなる仕事”に
手縫いによる仕立屋が入り
業界がざわついたのですが
失われる技術は多分にあるものの
おそらくなくなることはないと思います。
なぜかというと趣向性の非常に高い分野なため
馬が車に変わった後でも馬術がまだ失われていないように
需要は減るとは思いますが
一切はなくならない分野であると思います。
(もう既にかなりの数のビスポークテーラーが
淘汰されてきましたが)
そして今、若い技術者が一切いないわけではなく
このところのオーダー業界の隆盛で
スーツをはじめオーダーシューズ業界にも
若い技術者が増えたようです。
スーツで言えばフルオーダー(丸縫いの出来る)の
ノウハウのある人間が
世代的にまだぎりぎり引退は
していない(といっても70歳以上)タイミングですから
技術の継承がなんとか進んでいくといいですね。
…
軽く書くつもりがかなり長くなってしまいました。
後日またパターンオーダーや
イージーオーダーについても詳しく
書いていきますので
またご閲覧いただけると幸いです!
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長