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ブログ2019.10.26
コートの暖かさは何で決まる?コート生地に使われる素材について
【Tailor Fukuoka Ginza Blog】
皆様こんにちは。
テーラーフクオカ銀座店の木村です。
先日、レイマーが展示会にて
サイズサンプルの試着と
リジェクト品の販売会を行うと
発表がありましたね。
合わせて休みをとっているので
ぜひ、行ってみようと思います。
さて、本日はこれからの時期に活躍するコート。
その暖かさに関係する要因の一つ
コート生地に使われる素材の種類のお話です。
①ウール
こちらはスーツの生地としてもお馴染み
通気性と保温性を兼ね備えた
洋服素材の神、羊毛です。
柔らかく毛足の長い、カシミアのような生地や
固く、重く、粗いツイードや
縮絨を行い目を詰めたメルトンなど
用途に合わせて様々な種類がある
コート生地でも最もポピュラーな素材です。
②カシミア
カシミアとはカシミアヤギという
中国やネパールの寒暖の激しい
環境の高所に生息しているヤギの毛です。
1頭から取れる量も少なく
採取も非常に手間がかかります。
カシミアは非常に軽く
温かい特徴があります。
カシミアの繊維はかなり細く15ミクロン前後
通常のウールは19前後。
(人毛が50~100ミクロン)
この細い繊維がしなやかな肌触りを生み
多量の空気を含むことによる
保温性も兼ね備えるのです。
その他、
ウールよりも整ったキューティクルを
持つことで光を均一に
反射することによる光沢も魅力です。
③キャメル
まず始めに
キャメルとはラクダの毛の事です。
ラクダにはヒトコブラクダとフタコブラクダが
いますがキャメルとして使われるのは
フタコブラクダの方。
ヒトコブラクダの毛は太く、短いので
良質な毛が取れることは少ないのです。
一方、フタコブラクダは
中国の新疆地区に生息しています。
そこは夏の気温が45度、冬は-30度の世界。
この環境で育つフタコブラクダの毛は
暑さに耐えうる吸湿発散性と
寒さに耐えうる保温性を持っています。
吸湿性は天然繊維の中で最も優れ
放湿性は羊毛よりも優れています。
そのため、衣服の中が蒸れることが
なく快適に保温出来ます。
また、よく言うキャメルカラーというのは
このキャメル本来のベージュの色のことを言います。
④アンゴラ
アンゴラとは90%以上が中国で生産される
アンゴラウサギの毛です。
アンゴラウサギの毛はシルクのように
白く、長く、柔らかい。
アンゴラの毛は中が空洞になっており
保温性も非常に高いのです。
(近年は国際的に問題視されていますが)
⑤アルパカ
アルパカは気温差の激しい
アンデス高所に生息しています。
アルパカもその他の獣毛繊維同様に
軽くて、しなやかで暖かい特徴があります。
アルパカの毛も中に空洞があり
そこに空気を含むので暖かいのです。
また、アルパカの毛は直毛の為
毛が絡まりにくく
毛玉が出来にくい利点もあります。
このようにその他の高級素材と同様に
優れた機能性を持っている他にその希少性が
アルパカの特徴として挙げられます。
カシミアの年間生産量が
約5000トンとされており、
アルパカは約4000トンと
カシミアよりも少ないのです。
とまあ他にも様々な種類があるのですが
こんな感じになっています。
ただ、コートの暖かさは素材だけだ決まる
ことはなく、その繊維をどう使い
どう表現しようとするのか。
それは生地の厚みであり、重みであり
質感であり、風合いになります。
なので素材を含めた様々な要因を
自分自身で総合的に判断するのが良いと思います。
結局、何を暖かく感じるかは
本人にしか分かりませんから。
銀座店 木村
Order Coat \39,000+tax~