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ブログ2019.04.06
見本帳を使わない理由
Tailor Fukuoka Ginza Blog
みなさま、こんにちは。銀座店の嶌野です。
さて、本日は私達が店頭にご用意しております
スーツの生地の話をさせていただきます。
店舗へご来店いただいたことのある方はおわかりだと思いますが、
私達のお店には、たくさんのスーツ生地が積み上がっております。
仕上がったスーツよりも断然生地のほうが多く置いてありますので
生地屋と間違われるほど。
店頭に置いてある生地のほどんどが見本等ではなく
お選び頂いた場合に実際にお仕立てする服地です。
着数も多いので管理は大変ですが
私達はこの「現物商売」で服地を展開しております。
1着分ではない、サンプル用の生地を展示につかっていたり、
バンチブック(見本帳)で商品を展開しているショップもたくさんありますが
そんな中、私達があえて手間のかかる現物で展開しているのには
いくつか理由があります。
まず第一の理由、それは「わかりやすい」から。
実際の生地に触れて、質感を見ていただけること
そして仕上がりのイメージが付きやすいこと
(それでもなかなかイメージするのは難しいのですが)
これがお客様にとって何よりのメリットだと思います。
見本帳の小さなサイズの生地では
「イメージと違う…」という結果になることもしばしば。
イメージにそった生地を選んでいただけるよう
お客様に実際の生地を御覧頂いております。
それから、第二の理由は「生地のコストを抑えるため」。
バンチブックで展開している場合、基本的にはお客様から注文が入るたびに
生地商社から取り寄せるようになります。
そうなると1着ごとに生地カットのコストと輸送費が…
私達はそのコストを省くために生地を一括で仕入れて
自分たちで在庫を抱えております。
その上に縫製のコストものってきますので
一概に生地の種類だけで価格は比べられませんが
コストパフォーマンスに関しては
良いものをご提供させていただいている自信があります。
オーダー慣れしているお客様の中には
生地が見づらい、とおっしゃる方もおりますが
私達はそんな理由で現物商売にこだわっております。