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ブログ2020.06.01
オックスフォードシャツの洗い方(干し方編)
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
先日のブログの続きです。
前回、「脱水はするべからず」と
申し上げましたオックスフォードシャツの洗濯方法ですが
今回はそのように洗い上げたシャツを
どのように乾燥させノーアイロンで着用できる状態に
するかを書いていきます。
布の中に水分量が多く含まれていると
手できちんと成型をすると
乾燥するまでその形を保ってくれます。
ハリのあるオックスフォード地はここでの成型は
最も重要です。
なのでまずはいちばん大事な衿元から
形を整えていきます。
エリを立て台衿も一緒に地の目方向に伸ばします。
目安は衿先のステッチ(縫い目)まわりのシワが伸びる程度で
必要以上の力は掛ければ繊維を痛める可能性もございますので
お気をつけを。。
そして然るべき位置で衿を返すため
私の場合は腰に沿って
下の画像のように折り上げます。
ここできちんと折っておかないと
タイドアップをした際に首の後ろから
タイが覗いてしまう現象を誘発しますので
お気をつけを。
こうなっているシャツを
電車内や街なかで非常によく見かけます。。
後ろですし本人も気づかないのでしょう。。
おそらく一日そのままの状態かと思います。
自前のシャツがそうなってはあまりにも
みっともない箇所ですので
結構気を使って仕上げています。
上記のことにも気にかけながら
衿の形を整えてからハンガーにかけていきます。
この際気をつけていただきたいのは
ボタンダウンの場合
“必ず”ダウンボタンは外しておきましょう。
ボタンダウンシャツは襟のロールが
生命線と言っても過言ではありません。
“乾燥後に”ボタン留めすることで
ナチュラルなカラーロールを生みます。
↑一応ダメ見本です。
台衿(襟のバンド部分)は
きちんと立ち上げて干さないと
このように襟が外に広がり
エレガントとは言えません。
衿が寝ないようネックの後ろ側に
ハンガ―を入れましょう。
ここはシャツにおいて
最も大事な箇所ですので
形を整えていくと着用時に
幸せになれますよ。(きっと)
次にカフです。
ここでもカフはややこの状態で丸みを
手で形づくり立体的にしておくと
腕通りが非常に良くなりますし
縮みによるカフス周りのサイズの変化もあまりありません。
干し方によってオックスフォードシャツは
手首が縮み非常にきつくなることがあるので
気をつけましょう。
最後に前立て部を縦方向に適度に伸ばし
縮みを取りましょう。
ノータイなどで着用される場合
前立てもシャツの顔となるので意識的に。。
エリ・カフ・前立ての
3箇所は基本的には
芯が入っているので入念に整え
それからそこ以外の身頃などを
手でシワを伸ばししていきましょう。
ちなみに袖は
袖口から手を入れ
アームホールあたりから
手のひらを広げながら袖シワを伸ばすと
小じわはなくなりナチュラルに仕上がります。
アイロンをかけるときれいになりすぎるので
オックスフォードの場合はこの程度がいいでしょう。
袖は折り目をつけたいという方もいらっしゃるでしょうが
オックスシャツには無粋に思います。
(ポプリンやツイルはお好みで)
これで完了です。
今回は作業を分解して書いたので
難しく感じますが慣れると
1枚あたり1分もあれば
十分仕上げられると思います。
スーツにも同じことが言えますが
西洋服は基本的には着ている状態が
一番キレイな状態です。
身体に着せ付けた状態を
ハンガ―掛けをし再現できれば
洋服の保存する上では一番好ましいのです。
トルソー(≒マネキン)に着せた状態で
保管ができれば理想ということになりますが
とてつもなく場所を食うことになります^^;
そのためこのように洗濯・乾燥時に
一手間をかけてアイロンのかかったシャツには出せない
洗いざらしの良い雰囲気のある
オックスフォードシャツを楽しめます。
忙しい方には要らぬ情報この上ないでしょうが
ちょっとした時間が出来た休日などに
お気に入りのオックスフォードシャツを
洗濯されてはいかがでしょうか?
ご閲覧ありがとうございました。
詳しくは直接豊島まで。
新宿店 豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長