Blog
ブログ2020.06.05
スーツのボタンの付け方
【Tailor Fukuoka Ginza Blog】
みなさま、こんにちは。
銀座店の嶌野です。
今日は意外と知らない、スーツのボタンの付け方を
ご紹介します。
スーツ以外のシャツ・ブラウスなど
基本は同じ付け方ですので、覚えると便利ですよ!
まず、ボタン付けに使う糸の用意です。
実はここが一番大事なポイント。
本来、蝋(ろう)のついた「ツレデ」という
スーツ用のボタン付け糸があるのですが
手に入りにくいため
ご家庭でつける場合は普通のボタン付け糸でOK。
ただし、必ず手縫い用のボタン付け糸を使用してください!
ミシン糸で代用する方が結構多いのですが
ミシン糸は手縫い糸に比べほつれやすい構造で
縫っている最中に絡まりやすくきれいに仕上がりにくい上
使っているうちにほつれたり、糸が細すぎて切れてしまい
再びボタンが取れる事が多いのです。
ボタン付け糸の方が格段にきれいに、ラクに仕上がるので
白・黒・茶あたりの定番色は買いそろえても損はしません。
さて、道具が用意できたら実際に縫って行きます。
①針に通し、両端を引き揃えてひと結び。
②ボタンの裏から糸を通し、対角の穴からに通して
糸のお尻の輪に針をくぐらせます。
これで縫い始めが固定されました。
③針でボタンを付ける位置の布を1ミリ程度すくいます。
残りのボタン穴に糸を通し、もう一度布を小さくすくいます。
この時、糸の長さを均一に、少しボタンを浮かせます。
スーツであれば、だいたいボタンの厚み分くらいでOK
これが一番むずかしいのですが仕上がりを決める部分です。
(穴の開いたタイプではない、足付きのボタンなら
布にぴったりつけて縫います。玉止めをして⑧へ!)
④浮かせた部分に糸を3,4回巻き付けていきます。
ボタンを止めた時、ボタン穴側の生地が
収まるスペースをつくるためで
この「足」という部分がないと糸と生地に負荷がかかり
ボタンが取れやすくなってしまいます。
⑥糸を巻く最後の一周に針を通し、キュッとしめます。
(文章と写真ではどうしてもわかりにくいので…
糸をかける手順は「ボタン つけ方」で検索すると
わかりやすい図解がたくさんあります)
⑦糸足の中に針を2,3度突き通し、足の根元で玉止め。
(小さい玉止めにしてくださいね!)
⑧玉止めの近くにもう一度針をさし、ぐっと引くと
なんと!玉止めが中に隠れます!
(無理にやりすぎると生地を痛めるので注意です…!)
⑨残った糸を切って、ボタン付けが完成です。
丁寧にすれば玉結びも玉止めも表にでない
きれいな仕上がりになります。
実は今流通している服は
(スーツはもちろん、ボタンのついているものはすべて)
ほとんどが専用のミシンでボタンを縫い付けています。
手縫いでボタンをつけるのでフルオーダーのスーツくらい。
そしてミシンで縫うものは、手縫いでつけたボタンよりも
やや弱くなります。
手付けボタンはきちんと縫えば
ミシン付けのボタンよりずっと綺麗で丈夫ですし
最初はコツがいりますが、慣れればかんたんです。
ボタンが取れてしまった際は、ぜひ参考にしてください。
* * *
短縮営業時間 【 12:00-18:30 】
(定休日なし・吉祥寺店のみ水曜定休)
※短縮営業期間は当面の間とさせて頂きます