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2020.10.11

それぞれのコートの立ち位置

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

皆様こんにちは。 

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

 

先日、着なくなった服を処分していました。

今は、シャツとジャケットとパンツしか

着ないため、それ以外の服を全て

処分しました。

おかげで棚の中が、かなりスッキリしたので

とても清々しい気分です。

 

さて、本日はこちらのご紹介。

 

Tailor Fukuoka 2020AW Chesterfield Coat-2

 

 

コートには様々な種類がございます。

シングルのチェスターフィールドコート

ダブルのチェスターフィールドコート

大きな上衿が特徴のアルスターコート。

 

どれも私共でオーダー可能な

鉄板のコートなのですが

それぞれ特徴や立ち位置が異なります

今回はそちらについてのお話。

 

まず、コートと言えばシングルの

チェスターフィールドコートの名前が挙がります。

コートの中で最もドレッシーで

フォーマルにも向いている

まさに王道のコートです。

 

第6第チェスターフィールド伯爵が

着用し広まったと言われており

諸説ありますが

比翼仕立てでシングルのものが

正式な形と言われています。

 

長さについては

元々は少し短めだった

という説もあるようですが

個人的には

当時、着用していた礼装が

隠れる位の長さはあったと思いますので

やはり最低でも膝下丈はあるのが

クラシックで正式な気がします。

 

シングルのスーツをそのまま

長くしたようなデザインで

ダーツを取り、ウエストのシェイプも

効かせておりスーツに良く似合います。

 

また、稀に上衿が黒のベルベットに

なっているものも見かけると思いますが

あれは、ドレスチェスターコートに

見られるデザインで

その昔、フランス革命の時代に

民衆によって処刑されていった

フランス貴族に対して

対岸のイギリス貴族が喪を

表すために黒い生地を貼り付けたのが

起源とされています。

 

現代では、珍しいデザインですが

格式高くフォーマルな

見た目になりますので

当店でも、お好きな方が稀にオーダーされます。

 

 

色につきましては様々ございますが

ネイビー、キャメル、グレー等が

やはり鉄板です。

素材はウールやカシミアを用いる事が多く

黒のカシミアやウール素材であれば

冠婚葬祭でお使いいただける

フォーマルなコートにもなります。

 

デザインにつきましてはスーツ同様

近年、クラシックなものが流行っており

ショート丈というよりは

膝丈、膝下丈のものが多く

フロントを比翼にすることは少なく

衿は共生地で、フロントは打ち抜きの

3釦の段返りになっていることが多いです。

 

程良く、現代的になってはいますが

それでも格式高くドレス、フォーマル

向けなコートと言えます。

 

 

Tailor Fukuoka 2020AW Chesterfield Coat

 

 

続いて、ダブルチェスターコート。

 

 

ダブルブレステッドチェスターフィールドコート

 

 

こちらも、シングルと同様で

現代のダブルスーツを長くしたような

デザインになっていますが

その立ち位置は大きく異なります。

 

シングルよりも重厚ですが、シングルほど

フォーマルな印象ではなくなります。

かと言ってアルスターコートほど

カジュアルではなく、程よくドレス向けであり

ウールの他にカシミアやツイード、柄物など

どの生地で仕立てても調和がとれる

汎用性の髙いデザインです。

 

また、打ち合いがダブルの為

保温性にも優れている点も

シングルチェスターとは異なります。

 

 

 

最後にアルスターコート。

 

 

Tailor Fukuoka 2020AW Ulster Coat Lovat

 

 

元々は、イギリスでの旅行用の

コートとして、誕生したといわれており

この中では、一番カジュアルな

立ち位置のコートです。

 

当時の馬車を使った旅行では

イギリスの土地はあまりに寒く

防寒用のコートが必要とされていました。

その為、大きな上衿と深い打ち合い

浅いVゾーンが特徴の

アルスターコートが誕生しました。

 

 

Tailor Fukuoka 2020AW Ulster Coat Lovat-2

 

 

ちなみに、似たものにポロコート

というコートがあります。

明確に分ける事は少ないかもしれませんが

フレームドパッチポケット

インパーテッドプリーツが付いている

という違いがあります。

そのあたりはこちらでもご説明しています。

 

 

こちらのアルスターコートは

タイロッケンの元になったとも

言われておりそのタイロッケンは

トレンチコートの元になったものです。

なので、このアルスターコートは

トレンチコートの大元とも言えます。

(バックベルトなどが共通点ですね)

 

こちらも元々の着丈は長いものですが

やや短めに仕立ててスポーティーに着こなしたり

メルトンの生地でオーダーして

Pコートのような雰囲気で

着られる方もいらっしゃいます。

 

元々がカジュアルなコートのため

このあたりのアレンジは

受け入れられやすいように思います。

 

と、まあ簡単にご説明をするとこんな感じです。

ただ、どのコートでも現代のビジネスシーンで

着用するのに問題はございませんので

最後は皆様のお好きなように

お好みに合わせてお作り下さい。

 

 

銀座店 木村

 

Order Coat Price

チェスターフィールドコート ¥39,000+tax~

ダブルチェスターフィールドコート ¥44,000+tax~

アルスターコート ¥44,000+tax~

 

 

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