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ブログ2021.02.20
Yarn twist-糸の撚り-
こんにちは!
新宿店の長谷川です。
今日はタイトルにある通り、
「糸」の「撚り」についてのお話。
基本的に、
普段私たちが触れている糸には
“撚り”がかかっています。
撚りをかけない無撚糸だと
糸がバラバラになり強度的にも脆く、
織物にすることが難しいからです。
撚りのかけ方は簡単です。
糸の一端を固定しもう一端を回転させれば
撚りをかける事が出来ます。
紙縒(こより)も紙を撚って作りますよね。
それと同じ仕組みです。
さて、その撚りをかける“方向”は
2方向あります。
(引用元:株式会社フジテックスhttps://www.fjx.co.jp/learn/knowledge02.html)
①S撚り-S twist-(図左)
糸を時計回り(右)に捻ると
S撚りになります。
②Z撚り-Z twist-(図右)
糸を反時計回り(左)捻ると
Z撚りになります。
ちなみに、
単糸(1本の糸)は基本的にZ撚りで撚られ、
単糸同士を撚り合わせる
双糸を作る時にはS撚りで合わせます。
撚りと言うのは
織物表面の光沢などの風合いや
強度、シワ回復性などに
大きく関わってきます。
また、同じ方向に回転をかければかけるほど
糸は固く強度を増し、
フレスコやちりめんなどに用いられる
「強撚糸」となります。
普段皆さんに見ていただいている
生地の耳にも、
「High twist yarn(強撚糸)」
と書かれた生地を見たことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
逆に、艶を良く出したいや
ふわっとした柔らかな表情を出したい時には
「甘撚糸」や「弱撚糸」といった
撚りの甘い糸が使われる事が多いです。
皆様にもっと身近な撚りに関わる話だと、
手縫い糸とミシン糸。
手縫い糸はS撚り、ミシン糸はZ撚りです。
例えば、ミシン糸で手縫いをしようとすると
糸が絡まってしまって縫いにくかった事は
ありませんか?
なぜ縫いにくいかと言うと
手縫いだとミシン糸の撚り(Z撚り)と
逆方向の撚りをかける
縫製をすることになるので
どんどん撚りが
解けていっていたからなんです。
ミシン糸に手縫い糸が代用出来ないのも
同じ理由ですね。
ミシンはZ撚りの糸に対応した
動きをしますので、
S撚りの糸をかけても
同じく糸がほどけてくるのです。
ご自宅で縫い物をする時は
手芸店で用途に適した糸を
きちんと購入して下さいね。
長文になりましたしたが、
今日は撚りのお話でした^ ^
Staff投稿者長谷川 [Hasegawa]
服飾系の大学を経て入社。
若くして販売・企画・人事など様々な業務に携わってきた
社内随一のユーティリティプレイヤー。
安定感のある接客スタイルでデザイン提案なども信頼できる。