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2022.01.14

スーツには、是非サスペンダーを。

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

皆様こんにちは。

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

先日、ネットでブリーフケースを

購入しました。

あまり状態が良くなかったので

汚れを取ってブライドルレザー用の

クリームを入れて

金具を真鍮研磨剤で磨いて

一部剥がれていた個所を

革用接着剤でくっつけていたら

半日かかりました。

かなり見違えましたが

今度の休みに、仕上げとして

コバの補色をしようと思います。

さて、本日はこちらのご紹介。

【Suspenders】

￥7,800+tax(¥8,580)

サスペンダーです。

英国だとブレイシーズ。

良いサスペンダーがある

というもの、そうなのですが

本日、お伝えしたいのは

サスペンダーで吊った方が

スーツは綺麗である、という事です。

現在の日本では多くの方が

ベルトでスラックスを

固定していると思いますが

そもそも、本来スーツというのは

サスペンダーで吊るというのが

正式な履き方です。

ベルトを着用するようになったのは

戦後の辺りからです。

（ちなみに、ベルトの起源自体は

古代ローマまで遡ると言われています）

この辺りからベストを排した着方

ツーピーススタイルが

普及し始めました。

今までベストに隠れていて

下着のように考えられていた

サスペンダーも

見えるようになり

サスペンダーの代わり

ベルトで固定するという風に

なってきたのです。

さて、サスペンダーを

お勧めする理由なのですが

まず、ウエストに余裕を

持たせる事が出来ます。

ベルトで留める場合には

どうしても、ウエストを

タイトにしないとスラックスが

落ちてきてしまいますので

圧迫感が生まれます。

その上でさらに、ベルトを絞るので

ウエスト部分に余計な

シワが寄ってしまいます。

サスペンダーの場合は

そもそも、肩で吊ってあるので

スラックスが落ちてくる心配は

ありません。

ウエストもタイトにする必要は

ございませんので

ウエストに圧迫感もなく

シワが寄る事もありません。

さらに、サスペンダーを使用すると

スラックスが自然と

ハイウエストで固定されて

タックの落ちも綺麗なのです。

どういう事かと言いますと

お持ちのタックパンツを

履いた時に上に持ち上げると

分かるのですが

タックからつながる

クリースラインがまっすぐ

綺麗に繋がるはずです。

上に引っ張られる力が

加わるのとタックが綺麗に立ち

クリースラインは

綺麗に落ちるのです。

また、ベルトでウエストを

絞るとタックも横に引っ張られるますので

やはり綺麗に落ちないのです。

最近ですとベスト付きの

スリーピースのスーツスタイルも

多いと思いますが

このベストを着用する時にも

サスペンダーがお勧めなのです。

こちらは、単純な話ですが

スリーピースのスーツを

ベルトで固定すると

ベルトがベストと干渉して

ウエストの部分が膨らんでしまうのです。

スラックスの後ろポケットに

厚みのあるものが入っている為に

ジャケットのベント部分が不自然に

膨らんでいては綺麗には

見えないはずです。

同様に、ベストも不自然に膨らんでいては

スーツは綺麗に見えません。

ベストからスラックスまで

一直線に綺麗に繋がって見えると思います。

本来、スーツというのは

サスペンダーの使用を前提に

作られているものですので

ベルトというのは、イレギュラーな訳です。

ちなみに、それならば

ベストの丈を短くして

ベルトに干渉しないようにしよう

とは考えないで下さい。

横から見たときに

シャツが覗いてしまい

大変、不格好になりますので。

（シャツは元々、下着ですので

スーツを着たときに不必要に

シャツが見えてはいけません）

前回のブログでも書きましたが

オーセンティックなスーツには

それに伴うサイズがございます。

そういったスーツに対して

ベルトを合わせるのは

やはり、お勧め出来ません。

例えば、股上をしっかり取った

スラックスに対して

ちゃんとハイウエストで

ベルトを固定したとしても

先ほど、申し上げたように

ベルトでは、どうしても

スラックスが下がってきてしまいます。

そうすると、折角しかっりと

深さを取ったスラックスも

本来、いなければいけない位置から

ずれてしまうのです。

ですので、スーツには

サスペンダーが良いのです。

特にオーセンティックなスーツには

ぜひ、サスペンダーのご使用を

お勧めします。

銀座店　木村