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2022.04.27

スーツのクリースについて思う事。

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

皆様こんにちは。

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

 

先日、少し前に納品した

コードバンの靴をおろしました。

まだ、一回しか履いていないので

まだまだですが、良い感じに

甲にコードバンらしい

太い皺が入ってきました。

これからが楽しみです。

 

さて、本日はこちらのご紹介。

 

モヘアブレンド ブラック オーダーパンツ オーダースラックス テーラーフクオカ-3

 

先日、加藤がスラックスの

折り目加工について書いていました

 

ふと思いましたが、そういえば

スラックスの折り目について

ブログではお話した事がないなと。

という訳で今回は

スラックスの折り目についての

個人的な表象をお伝えしようと思います。

 

結論を申し上げますと

‘‘折り目加工‘‘につきましては

必須とは申しません。

ですが、‘‘折り目‘‘につきましては

絶対に必須でございます。

 

これは特に難しい話ではなく

単純に折り目のないスラックスは

カッコよくありません。

言葉を選ばずに申し上げますと

クリース(折り目の線)がない

スーツスタイルは非常に無様です。

 

クリースの起源は諸説ありますが

少なくとも1900年代初めには

一般に広まっていたと考察出来ます。

ですので、スーツの原型が出来ていた

かなり昔からあったものと思います。

 

、、、起源がなんだ。と感じる方も

いらっしゃるかもしれませんが

私がお伝えしたいのは

クリースは昔からあったもので

正式なものなのだから

歴史に乗っ取って必要なものである。

などという事ではなく

そんな昔からあり

なおかつ現在でも残っているのは

歴史の名残だけではない

という事でございます。

 

どういう事か。

 

クリースがあることにより

正面から見た時にスラックスが

横に広がらずにすっきりと見えます。

逆に言えばクリースがない場合

スラックスのシルエットが

横に広がって見える為

野暮ったくなってしまいます。

 

換言すれば

横に広がって見えるというのは

見た目のサイズが変わるという事です。

 

当たり前ですが現代のスーツは

少なくとも新品の状態では

必ずクリースが付いています。

スーツのサイズもクリースがある事を

前提に作られています。

 

折角、身体に合わせたスーツの

サイズが変ってしまっては

意味がありません。

故にクリースは必須なのです。

 

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さらに言えば、

クリースのないスラックスは

裾がヒラヒラとするので

裾捌きが悪くなります。

ウェイトのあるフラノやツイードなら

いざ知れず

現代の平織の生地などでは

重さが無い分余計に顕著。

 

裾がヒラヒラしていると

まるでフレアパンツのよう、、、

スーツ本来のエレガントさが

失われてしまいます。

 

また、オーセンティックなスーツには

タックが必ず入ります。

正面から見たときにクリースが無い場合

タックのみが腿の所に

付くことになりますが

ご想像して下さい、、、

何というか、本来必須であるはずの

タックがまるで異物のように見えるはずです。

 

カルロ・バルベラ クリームフランネル ウェールズチェック スラックス-2

 

タックというのはクリースと

一直線に繋がっているべきものであり

タックとクリースが途切れていたり

タックが開いていては

これも、カッコよくありません。

 

このようにクリース

というのは決して無意味に

付いている訳ではございません。

 

冒頭の話に戻りますと

しっかりとクリースを

維持されているのであれば

折り目加工は必須ではございませんが

折り目を維持する為に

強くアイロンを当てすぎてしまったり

何度もクリーニングに出してしまうと

生地のテカリや色落ち、

痛みの原因にもなります。

(特にクリーニングにはなるべく

出さないのがスーツを

長持ちさせる為に大切な事です)

 

ですので、折り目加工は

必須ではありませんが

おススメではあります。

 

そして、折り目は必須でございます。

 

以上。

 

 

銀座店 木村