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ブログ2024.06.20
私がオススメしない理由と、、、
【Tailor Fukuoka Ginza Blog】
皆様こんにちは。
テーラーフクオカ銀座店の木村です。
先日、オーダーしたシューズが
仕上がりました
茶色のコードバンを使って
デザインはシングルモンク。
想像以上に良く出来ました。
さて、本日はこちらの紹介。
オーダーでは様々なデザインがあります。
本切羽、お台場仕立て、ボタン、裏地
ポケットにフラップを付ける
持ち出しを長くする、太くする
内ポケットのサイズを変更するetc
拘り的な要素が強いものが多いので
基本的にはお好みに合わせて
いただいて問題はないです。
ですがその中でも数少ない
私があまりお勧めを
しないものがございます。
それは、色糸の変更です。
（袖や衿の釦ホールの色を変えるものです）
なんと。
個性的で、オーダーらしくて良いじゃないか
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
では、なぜオススメをしないのか。
理由は極めて、非常に、明確に単純で
このようなスーツを私は
美しいとは思えないからです。
こちらは、私がよく話す事なのですが
例えば、街中で自分好みのとても素敵な
カッコいい車があったとします。
（私自身はあまり車に詳しくはないのですが、、、）
ボディラインを見て、ああカッコいい。
ボディカラーを見て、ああやっぱりカッコいい。
やはり、あの車はとてもカッコいい。
さて、そのまま目線を下に落としていった時に
その車のタイヤのホイールが
一個だけ赤色になっていたとして
果たしてその車はカッコ良く見えるのでしょうか。
どうでしょう
こう考え直してみると
随分と印象が変わるのではないでしょうか。
日本では見慣れたデザインに
なってしまっているので
違和感を感じにくのかもしれませんが
よくよく、冷静に考えていただくと
あのようなデザインは
かなりトリッキーなものなのです。
あのようなデザインは
2000年代以降の日本における
オーダースーツブームの中で
生まれた可能性が高いです。
ブームになれば競合する他社が
多くいる訳で
そうなると、どうしても
自分やお店としてスタイルが無い
あるいは、そこに芯が無いと
既成品では無いようなデザイン
競合他社と被らないようなデザイン
のような分かりやすく
簡単なお洒落に向かって行きやすいのでしょう。
無理やりに絞り出した個性を
模索してしまうのはスーツに
限った話ではないのかもしれませんね。
しかしどうでしょうか。
他とは違う事、、、
すなわち個性というものは
自ら生み出そうとするものではなく
自ずと流れ出るものだと
私は考えます。
特徴を付けようと
あれこれやってみるのは
かえって、個性を消し去る行為であり
その個性を出そうともがいている様は
決して美しいものではないでしょう。
また、既成品にはないデザインとして
選択される方もいらっしゃるかもしれませんが
逆にこう考えて下さい。
何十年も支持されるような
様々なドレスブランドが
こういったデザインを
大きくは打ち出していない訳です。
すなわち、そのブランドが
このデザインを良しとしていないという事だと。
さてさて、色々とお話しましたが
勿論、上記のような事を
ご自身で考えて
ご自身の中で咀嚼して反芻したうえで
あえて、選ばれる方もいるかもしれません。
果たしてそれはどうでしょうか。
実は、私は、、、
その場合は、それはそれで良い
と思っています。
私が真にお伝えしたいのは
考えて、考えて、考えた
そういった解釈や選択を
全くしていないという、その様。
それが
美しくないのではないかという事なのです。
そして
流行であろうとも
普遍であろうとも
無分別の中の分別でしかありません。
上記の私の考えでさえもそうなのです。
それが循環であろうとも
言うなれば私のこの考えも含めて
自分の中で考え続けた選択なら
それも一つの正解なのかもしれません。
銀座店 木村
私の洋服に関する考え方は下記に
書いてあります。
私がクラシック、オーセンティックを薦める理由。
自分と自信を持つことの大切さ。
「服を着るのなら、今この瞬間から」
スーツの着丈について思う事。
スーツのクリースについて思う事。
最近のスーツは太くない。
股上と股下が変わると見た目は、こう変わる。
本切羽は、外さない。
理想のスーツのサイズとは。
靴下の長さと色と柄について思う事
似合わない色とは何か。
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