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ブログ2025.01.26
これなら許せる合繊、こと CORDURA(コーデュラ)
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
先般のブログで取り上げた通り
今季こちらの見本のコートを仕立てたのですが
こちらはウール100%ではなく
コーデュラナイロン混です。
単眼的にみると「合繊混の安いやつ」に
見えるかもしれませんが
改めて皆さんコーデュラ(CORDURA)はご存知でしょうか。
簡単に説明しますと米軍に使われている超強度ナイロンです。
近代の米軍が使用しているミルスペックキャンバスと
称されている生地には
このCORDURAの糸が採用されています。
(ミルスペック…兵士の生死にかかわる生地に
採用されていると思うとゾクゾクしますね)
世界で初めて化学繊維を開発し
アメリカの合成繊維=ナイロンというイメージを作ったのは
デュポンという企業なのですが
現在このCORDURAを生産管理しているのは
このデュポン社の後身企業(インビスタ社)なので
まさにナイロンの“オリジナル”メーカーなわけです。
身の回りのアイテムにもこのコーデュラを用いられることが多く
例えばミステリーランチのバックパックにも採用されていたり
PORTERこと吉田カバンさんの製品にも使われていました。
いずれも強度を必要とされるアイテムには
その堅牢度を担保するかの如く
用いられていると感じます
オーダースーツはじめとする
テーラー界隈にいる皆様の中には
いわゆるポリ混やナイロン混などの
化学繊維が混紡されていることで
合繊萎えしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ですがこのコーデュラに関しては表現難しいですが
“意志のある混紡”のように思えるのです。
だからこそ
(合繊だけど)コーデュラなら許せる、
という業界人の声が多いのは事実です。
自分自身もそう思います。。
不思議ですがどの分野にも
こういったものは存在する気がします。
ルイヴィトンのモノグラムやダミエは
素材というアプローチであればキャンバス素材に
ポリ塩化ビニールコーティング(PVCってやつ)を
施したものですし
英のシューメーカー・チャーチの
看板商品であるシャノンのアッパーレザーも
いうなればガラスレザーの類に属しますが
どちらも界隈では定評のある素材ですし
そこを咎められることはもはや無いのではないでしょうか。
抜群の耐久性能という
振り切れたパラメーターがある
このCORDURAを
たかが合繊と一蹴せずに
ぜひお試しください。
↑個人的に今季オススメしたいコーデュラ2色がこちら
(上37-149 , 下37-150)
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長