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ブログ2021.05.20
クセの強いシャツの合わせ方
【Tailor Fukuoka Ginza Blog】
皆様こんにちは。
テーラーフクオカ銀座店の木村です。
先日、三か月程前にオーダーした
靴が仕上がりました。
黒のシングルモンクと、ブラウンの
シュリンクレザーを使った
外羽根のセミブローグを作ったのですが
かなり気に入っています。
そもそも、木型が合っていて履きやすい
のも魅力なのですが
最近の流行りでもあるシングルモンクと
フレンチテイストな外羽根セミブローグが
我ながら、いい選択でした
また、AWにも作ろうかと思います。
さて、本日はこちらのご紹介。
といっても、何の事かよく分からないと
思いますが寄りで伝えるとこちらです。
少し、クセの強そうなシャツを着ていると
思われる方も多いのでないか思います。
そこまで、派手ではないのですが
この手のシャツに苦手意識がある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
こういったものを着ていると稀に
お客様から、その合わせ方について
聞かれる事がございます。
ですので、今回はこの手のシャツの
個人的な合わせ方を
お話しようかと思います。
まず、前提として
シャツというのは、スーツと
ネクタイとを合わせてしまえば
意外と目立ちません。
シャツ単品や生地で見た印象は
合わせてしまうと変わります。
ですので、合わせ方ではないのですが
私がよくお客様にお話しするのは
ジャケットを着て、ネクタイを締める事を
条件で考えて頂くという事です。
単体で見た印象を、どう着こなすかではなく
ジャケットとネクタイで隠れた部分以外と
全体の雰囲気を見て、さてどう着るかというふうに
考えて頂くとグッと親しい問題になってきます。
ここから、どう合わせるかという事ですが
何の変哲もない回答となってしまうのですが
色を拾うというのが、セオリーです。
この感じだと、シャツを主役に構成しているので
シャツの他に主役を増やすと一気に
難しいストーリーになっていきます。
ですが、あくまでシャツを芯に捉えて
脇役を固めていくと綺麗に完結します。
基本的にはスーツを主役に構成を考えていく事が
多いと思いますが、この手のものには
ネクタイもチーフもそしてスーツさえも
後回しで考えていく事をお勧めします。
まずは、このシャツ
クセはありますが、使われている色は
実は三色だけです。
赤、青、そして白、、、
この3色から他のアイテムを決めていくのです。
よく言われる色を拾うというのは
要は、同じ色を使うという事です。
スーツに青いチェックが入っているのなら
ネクタイやチーフでその青色を持ってきて
ネクタイに複数の色の柄が
入っているのであればその中の一色と
同じ色をスーツの色と合わせる
ただそれだけで、全体の統一感が出て
綺麗に見えます。
そして、色を拾うのは
必ずしも同じ色でなくても大丈夫なのです。
秒刻の矛盾となりましたが、どういうことか。
つまり、まったく同じ色である必要はない
という事であり
ネイビーもサックスも赤も赤茶も
同系色としてまとめて良い訳です。
今回の場合ですと
ネクタイはオレンジ(赤系統)
分かりにくいですが、実はスーツも赤系統
チーフは白ですが無彩色といって
主張が強くなければ色として
カウントはしなくても大丈夫です。
(ただ、これに関してはケースバイですね)
ちなみに写っていませんが
靴も赤茶色になっています。
完全に一色にするとワントーンや
トーン・オン・トーンなどと呼ばれ
これはこれで、ベターな合わせ方ですが
少し平面的な印象になります。
そういう意味では、このシャツのクセの一部
を担っている青色こそがちょうど良い
存在な訳で、アクセントになってくれています。
このような感じで、クセの強いものは
それを主役に、その中で使われている
色をベースに組み立てると綺麗に収まります。
上でも書いていますが、これは
スーツやジャケパンでも同様で
クセの強い主役は、その中の
色を分解して色数を絞っていくと
全体のバランスが良く
合わせやすいです。
という訳で、文章に書いてみると
本当に特殊なことをしている
訳ではないのですが
こんな感じで考えてみると
よろしいのではないかと思います。
今回は結果、二色に収まっていますが
スーツスタイルの色の組み合わせは
三色程度に収めると綺麗だと言われています。
例えば、こういう感じにチーフで
違う色を持ってきたりするのは
アリかと思います。
後は、靴や鞄などの小物の色も
揃えてあげるとより綺麗です。
他にも好みや時流によって
合わせ方は様々あります。
特に正解なるものがある
訳ではありませんので
ご自身で色々と考えてみるのも
趣があるのではないでしょうか。
銀座店 木村