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ブログ2020.01.15
自分で作るなら…オーダージャケット編
【オーダースーツ TailorFukuoka Blog】
こんにちは
Tailor Fukuoka銀座店の豊島です。
私達は一日生地に囲まれ仕事をしている故に
もし自分で作る(オーダーする)のなら、
という類の妄想は日中はし放題なわけです。
(すごい怠けているように聞こえますが仕事はしてます笑)
今回は日頃の妄想の一端を
こちらに書いてまいります。
皆様の生地選びの一助になれば幸いです。
Canonico(Made in Italy) CN75049 ¥49,000+tax
まずはカノニコの素晴らしく意匠の効いた
グレー×エクリュのチェック生地です。
ウール80%、シルク20%のふっくらした
手触り感も魅力ですが
この生地の良さは細部に宿っています。
分かりづらいかもしれませんが
一見ざっくり織られているだけの服地ようにも見えますが
このざっくり感をより表現するために各色の縁には
深い色で縁取られているため
より立体感が感じられる糸目になっているのです。
このため甘く織られているにも関わらず
離れても柄立ちはくっきり。
この細部に私はグッときています。
Unknown(Made in Japan) NP2001-002 ¥39,000+tax
上記のカノニコとは違いこちらは耳なしで
織元不明ですが色っぽい表情をしています。
ベースはブルーネイビーで
そこにややグリーンみの強いカーキが挿してある程度の
落ち着いたブークレ素材です。
ブークレはその織りをあまり強調すると
いやらしさも出てまいりますが
このくらいの落ち着きのある生地感であれば
着こなし易く
個人的には得意なゾーンです。
緑味の入ったものは
食わず嫌いされる方も多いでしょうが
このくらいネイビーとブレンドされた生地であれば
比較的気にっていただけることが多い気がいたします。
Carlo Barbera(Made in Italy)94-2338 ¥49,000+tax
一つ上の生地はほのかにグリーンが
載っている程度の優しい生地でしたが
こちらはボルドーとターコイズの組み合わせ
それもボールドチェックと言っていいくらいの
幅が広めの格子ですのでかなりインパクトがアリです。
でも正直このくらいの毒っ気がないと
こういう商売をしていて大抵の色柄は
持っている身からすると少々味気がないのです。
(着数をある程度お持ちの方には
“ある程度”共感していただけると思いますが^^;)
カルロ・バルベラ社のものですから
非常に入念なものづくりであることは
担保されているようなものです。
証拠にハンディングは非常によく
クリームフランネル(バルベラのマスターピースの一つ)より
さらにしなやかで柔らかいのです。
今からだったらあまり軽くは作りすぎないように
芯などのコンストラクションはしっかりめのものを選び
肩先だけ少しドロップをさせて作りたいですね。
・・・
今回ご紹介したのは
店舗にストックしている数千着分の服地の一部です。
皆様もご来店の際には
実際に作る服地だけではなく
もし作ったら…と妄想していただくと
スタイリングの妙案が浮かぶことも
多々ございますので
どうか店頭の他の服地もご参照ください。
(生地の枚数だけは他様よりもございますので…)
本日はオーダーの妄想という
とんでもない与太話に
お付き合いくださいまして
ありがとうございました。
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長