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2023.09.28

ブロードアローのロマン

【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】

 

皆さまこんにちは!

テーラーフクオカ新宿店の斉藤です。

 

以前青山店中野のこちらのブログでも

紹介されておりましたが、

中野ブログの文面にもあるように

生地の耳を一目してグッときた

その一人が私斉藤であります。

 

William Halstead(ウィリアムハルステッド)

Militaly Collection

No.37-4065 Wool45% Polyester55%

suit ¥69,000+tax(75900)~

pants ¥28,000+tax(30800)~

 

どこにそんなにグッときたんだい?との

お声が聞こえてくるよな気がしているので、

さっそくお答えしておこうと思います。

その理由がこちら。

 

※耳に注目して撮影しましたので

暗めに写っておりますが、

実物はもう少し黄緑っぽく明るめの色です。

 

ユーロミリタリーに造詣が深い方であれば

必ず目にしたことがあるであろう

「ブロードアロー」が耳に施されております。

矢印や矢じりにも見えるこの印は

イギリス政府所有の官給品に記された、

いわばイギリス軍の象徴的なマークとのこと。

 

 

こちらの斉藤私物のRAFのMK3ジャケットや

オーストラリアングルカにもしっかり施されてました・・・!

 

17世紀末から使用され始めたようで、

その後イギリス領となった時代もあった

カナダ軍やオーストラリア軍の

ミリタリーウェアに配されているものもよく見かけます。

 

 

(実は「ブロードアロー」で検索すると

一番ヒットするのは腕時計。

”ダーティダース”とも呼ばれる

英国軍用スイスメイドのミリタリーウォッチは

斉藤も長年探しておりますが、近ごろは

程度と年代によっては手ごろな値段で

買える代物ではなくなってしまいました・・・)

 

とまあ、雑談はさておき

ポリエステルが55%と高混率ということもあり、

良い意味でガシガシのバキバキで超ヘビィ。

(仕入れ担当によれば、目付は600gとのこと。ひえー)

 

そして「PARADE(パレード)」と銘打たれているのも、

恐らく軍事パレードや、セレモニー用の軍服向けに

作られたコレクションであることが予想できます

(近年だとスコットランドのパレードパンツが

よくサンプリングされてますね。

ブラックウォッチやマッケンジーといった

タータンチェックを施した微起毛モノを

よく見かけます)。

綺麗に整列した軍人たちのトラウザーズに

パッキリとしたクリースラインが浮かび上がる

光景は几帳面属性の方々にはたまらないでしょう。

 

というわけでだいぶ語ってしまいましたが、

青山店中野もブログでおすすめしておりました通り、

私も単品のトラウザーズを仕立てたいと思います。

 

 

野戦用のシェルで採用されるカラーの

OD(オリーブドラブ)とは異なり、

濃淡あるグリーンとキャメルブラウンが

絶妙な配合で混ざり合った奥行きのあるオリーブ。

ということもあり、

ここはカーゴ系統のオーバーパンツっぽく作るよりかは

ドレス路線に則ったスラックス型で

いくべきかと思っております。

 

 

英国でパレードやセレモニーが

待ち受けているわけではないのですが、

備えあれば憂いなしです。

そしてとにかくブロードアローに

ロマンを感じて履きたいのです!

とても硬ーい生地なので着心地は(?)ですが、

シルエットの綺麗さは確実に担保されるので、

ハイウエスト、ノークッションで

スラっとイカしたトラウザーズを

ぜひ一緒に楽しみましょう!

 

斉藤