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2021.04.21

ナットボタンのエイジング

【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】

 

こんにちは

テーラーフクオカ新宿店の豊島です。

 

先日、10年前にオーダーしたスーツを処分致しました。

春夏物の生地で仕立てたネイビーストライプでしたので

なかなか使い勝手の良いオーダースーツでした。

 

テーラーフクオカ 本ナットボタンのエイジング

 

そしてその際に付いていたナットボタンは

外しました。

よく水牛やナットはエイジングをしていきます、と

お話をしています。

(過去に水牛のボタンについては

こちらのブログに記載しています。)

ですがなかなかその場ですと

具体的にどんなふうに風合いが変わっていくのかを

ご覧いただけません。

今回はその様子をこのように写真に収め残しておきます。

 

写真中央に写っているボタンが

3ボタン段返りの最もよく手に触れた第2ボタンです。

アメ色の光沢をお感じいただけますか?

 

テーラーフクオカ 本ナットボタンのエイジング-3

 

最も触れることの少ない段返りの第1ボタンと比較すると

こんな感じです。

左側の第1ボタンはまだ粉っぽいマットな印象ですが

使い込んである第2ボタンは縁の部分を中心に

艶っぽくエイジングしています。

 

これが無垢な本ナットボタンのエイジングと言われるものです。

レザー製品などと同じように

こうなってからとてつもなく愛着が湧くものです。

 

ナット釦

 

このエイジングのお話は

より高価なボタンを買ってもらうための

セールストークかなんかでは、と思われていないか心配です笑

しかし、このようにエイジングがすすんだボタンには

独特な味わいを感じさせますし

我々としてもどうせなら同じものを長く使っていってほしい

とも思っておりますので

我々でかつてお仕立てをしたボタンのお持込などは大歓迎です。

(中には形状によってはお付けできないものもございます)

こうなれば人によってはむしろ

コストの圧縮につながる方もいるでしょう。

 

どうかこのような資産を捨てるような事がないよう

お願い致します。

こういった観点から

水牛やナット、レザー、ウッドなどのボタンも

できるだけエイジングをより感じやすい

上塗りなしの“無垢”のボタンをおすすめしております。

決してホーンだから、ナットだから良い、というわけでは

ないということです。天然素材の釦もいろいろです。

 

新宿店 豊島

 

 

Staff投稿者豊島 [Toyoshima]

東京都出身
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長