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ブログ2021.12.20
23歳の自分から
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ 新宿店の豊島です。
本日は私がこの業界に入ってまもない頃に
オーダーしたジャケットをご紹介させていただきます。
仕立ててから約10年が経ったジャケットです。
とはいってもしばらく着用はしておりませんでした。
ジョンストンズ オブ エルガンの古くバキバキの服地を
当時働いていた青山店のストックの中から見つけ
一目惚れをし即、仕立てました。
(今思えば気に入った生地があれば
なりふり構わずオーダーしていました…若い)
ジョンストンズというとスコットランド製の
高級ストールメーカーと認知されているでしょうが
あくまで服地メーカーですので
ヴィンテージ生地は球数もわりと有ります。
ただこの打ち込みはすごい
あえてハイポジションのウエストシェイプに
セミノッチドラペルと3ボタン中掛けの仕様。
画像で伝わるかは分かりませんが
400g以上はあろうかという目付と
筒状にして立つのではと思うほどのハリを有しています。
(セルフィーのため左右反転はお許しを)
そして当時の自分としては
精一杯のスコティッシュ感を出した
カバードチェンジポケット。
そしてスランテッドを強めにかけています。
コテコテではあるものの
これは我ながらグッジョブです。。
服地のバックグラウンドを捉えて
きちんとそれに見合う味付けを出来ています。
(ほんと自分で言うのはなんなんですが笑)
しばらく着ていなかったのは
ハイゴージ主流の当時としては
ゴージはかなりタレ目で
その古めかしさを23歳の自分は着こなせず
1シーズンだけ着用してすぐ実家のクローゼット送りになっていました。
当時は細身全盛の時代で
このジャケットも例に漏れず
ウエストのシェイプは凄まじく効いていますが
あえて肩や胸、腕などは
比較的ゆとりを加え作っていたので
今になり袖を通せています。
(そして最近痩せたのでなんとか…!)
私は新人の時代に
ベイシックなデザインのオーダースーツをはじめ
オーダージャケット、オーダーシャツなどを作っていたので
比較的まだ使っているアイテムも多い方ではあるのですが
間10年あいてから、また着用をし始めたのは初の経験です。
例えが難しいですが
23歳の自分からのタイムカプセルを開けたような
高揚感があり最近着用するのが楽しくなり
このところ着用頻度は上がっております。
「タイムレスなアイテムは長く付き合っていけるモノ」的な
キャッチコピーってもう掃いて捨てるほどある表現だと思いますが
ただこれを実感できると気持ちの満たされ方は格別です。
こういった服を何着かでも持っていられると
服というのは更に楽しくなりそうです。
新宿店 豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長