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ブログ2022.09.09
段返りじゃない方を選んだ結果
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
本日は5年ほど前に
オーダーしたスーツを着用しています。
※まだアップデート前の
プレステージライン Authenの初期型です。
製品としては美しいスーツでしたが
仕上がった当初、私にとっては
いわゆる“失敗作”でした。
その頃は渋いグレンチェックをコントロールできず
ほとんど袖を通しておりませんでした。
古いスキャバルの服地でしたので
コテコテではないにせよ
若干の英国臭さを醸し出したいと採用したのが
この“三つボタン中掛け(なかがけ)”でした。
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが
フロントデザインにおける三つボタンは
大きく分けて3種類あります。
まず3×2と表される事が多い
・三つボタン2つ掛け
それから皆さまよくご存じの
・三つボタン段返り
そして
・三つボタン中掛け
です。
段返りはハーフロール
中掛けはハイロールと
呼び分けられることも多いですね。
※段返りイメージ
一般的に広く知られている三つボタン段返りというのは
古くからテーラーメイドのスーツには
広く用いられるディテールなのですが
この頃それに飽きたと言うか嫌になったというか。。
その中で他のフロントボタンを模索していた中で
傾倒したのがこの中掛けだったわけです。
ほとんど陽の目を見なかったこのスーツが
最近になってようやくしっかり着用できるようになってきました。
年とったせいもあるかもしれませんが
一番の理由は中掛けの強みがようやく理解できてきたためです。
段返りですと胸の大半はラペルに隠れてしまいますが
この中掛けだとラペルが胸をカバーする面積が少なく
胸の丸み、立体感がきちんと伝わるなと感じました。
もとよりこのオーセンというのは複雑なバス芯を用いて
前見頃の構築力が魅力でもあるため
相性もいいと思うのです。
(一番上の画像がわかりやすいかもしれません)
すべてのスーツにおすすめというわけではありませんし
我々としては段返りまたは2ボタンがメインと捉えていますが
コシのある重たい生地を今までにないテイストで、という場合には
いいハズシになるなと思っております。
ツイードのジャケットなどとの相性も良いですね。
ただし、あまりにハイポジションだと
強めの懐古主義的に見えるため注意です。
よほど慣れた方でないかぎりは
まずは画像のようにボタン位置は
やや低めがマイルドでおすすめです。
今日はちょっと細かな3つボタンの話でした。
ご興味ある方は是非ご用命ください。
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長