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ブログ2023.07.31
フォーマルスーツを仕立てる意味は他者への敬意と。。
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは!
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
先日のブログでも軽く触れましたが。。
12年ぶりにフォーマルスーツ(いわゆる喪服を中心とした礼服)を
オーダーして新調しました。
現在シングルブレストが主流ではありますが
ここはあえてダブルブレストです。
Order Formal Suit (Prestige Line ;Authen )
Fabric:Made in Japan,Ultra Black.
Standard Line ¥59,000+tax(¥64,900)
Prestige Line ¥79,000+tax(¥86,900)
12年前にオーダーしたフォーマルスーツは
若さゆえ色々と遊びを入れたものですが
私も30を過ぎもう半ば。。
フォーマルスーツとしての
マナーやセオリーに則った
ディテールを心がけました。
そして日本的なダブルブレストの
フォーマルスーツにいたしました。
なぜ日本では礼服はダブルなのか?については
諸説が多々あるため断定はしませんが
私が考えるに紋付袴が日本では本来正装であったことから
打ち合いが深いほうが親和性があったのではという説が
最もしっくりくるかなと。。
Tailor Fukuokaも私が入社した頃は
いまだ礼服のオーダースーツ価格には
ダブルブレストのオプション代が標準で込みでしたので
それだけ礼服=ダブルというイメージが根強かったのだと思います。
本日は私のフォーマルスーツを紹介しながら
礼服の基本的な仕様を綴ってまいります。
基本とも言える
ピークドラペルやノーベントはもちろんのこと。。
腰のポケットもフラップレスとし
カジュアル(スポーティ)な要素は
極力つけておりません。
袖口も4ボタンのキッシングスタイルで
通常、袖口ボタンは穴かがりの上にのせますが
かがりは省略しさっぱり仕立てています。
トラウザーズもシンプルに
ベルトレスに両玉縁。
スーツ本来のかたちからすると
1プリーツ(タック)にするのがベターかと思いますが
2プリーツ(タック)にしたのは日本で着用する上で
弔事の際にはお焼香等でかがんだり
時には正座をしたりと
本来、スーツの構造的に想定されていない
動作をカバーできるよう腰回りにゆとりを取る意味で
プリーツを深めに配しました。
なので正座をするにも十分なフィット感ですし
クリースもすっと立ち上がります。
そして礼装の基本ではありますが
裾はモーニングカット(シングル)での仕上げです。
腰のポケットに関しても
ドレス寄りのスーツには
基本的に縦ポケットをご提案しています。
仕立てあがりはこの画像のように
サイドシームにちょうど乗るかたちになり
パネル数が増えずシンプルな印象を与えます。
細かなディテールですし
必ずこれらを守っていないと不義理にあたる、ということはありません。
そのデザイン自体にはあまり意義があるわけではないのです。
フォーマルウエアの細かな仕様を
きちんと踏襲して仕立てる意味は
他者への敬意はもちろんのこと
どこに出ても恥ずかしくない姿で
式典などに臨める自信のためにあると思います。
オーダーでフォーマルスーツを
お仕立ての際はこのような背景を踏まえ
お話をさせていただきますので
デザインに関してはある程度
お任せいただけますと幸いです。
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長