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ブログ2024.10.11
敬遠されがちな色のMOXONで一着
【Tailor Fukuoka Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
もう4年も前の話になりますが
MOXON(モクソン)という世界最古のミルについて
ブログに書かせていただきました。
ちなみにそのブログはこちら
実は自前用に私もMOXON生地を持っておりまして
5年ほど寝かせておりましたが
今季ついにかたちにいたしました。
それがこちらです。
ミディアムグレーのプレーンな生地で
おそらく弊社スタッフは
まず作らないのでないかと思われる柄です。
ただ私としては
スーツはこれくらいミニマルな色柄も
いとをかしと思っていて。。
あくまで色柄はスーツの構成要素として
一要素に過ぎませんし
他要素である仕立てやフォルム・サイジングなどで
きちんとスーツが語ってくれる、
とも思っています。
そして前述のブログにも書きましたが
Moxonそれ自体の生産背景に
ベットしているところもあります。
大学時代にある本にMOXONに関しての記述があり
そこで初めてその存在を知りました。
戦後まもなくより
栄華を極めたドーメルやスキャバル
ウェンシールなどの世界最高のマーチャントを
下支えした名門とされる現存する世界最古のミル。
このMoxonの生地で仕立てたスーツを所有したい…と
大学時代から考えておりました。
…と、ここは完全にエゴなので
機能とかクオリティはなどは置き去りにして
一人でほくそ笑んでいます。
モデルは基本に立ち返って
スタンダードラインのオリジンで
嫌味なくさっぱり仕立てています。
ただし台場や切羽、粉付きの水牛釦
高密度のキュプラなどそのあたりは抜かりなく
仕立てたつもりです。
織ネームも自前で用意したものですが
世代は違いネームは旧式のもの。
ただMOXON THOROUGHBRED(モクソン サラブレッド)の
ラベルは整合したので良しとしています。
一歩間違えると
爺クサくなるとされる
ミディアムグレーの真無地。
私自身はまだまだ若いつもりでいるので
ジジしないか少々心配していましたが
社内の人間からの評価は上々で
安心しております。。
(世辞半分だとしても。。です^^;)
ただこういうポテンシャルのある生地は
エッヂを効かせずにプレーンに作っても
生地自体がちゃんと語ってくれます。
バリエーションはほしいけど
この色は似合わないんだよなぁ、
などよく伺いますが
我々も場数は相応に踏んできていますので
敬遠されがちな色や柄などを
似合うよう仕立てる術は
様々ございます。
どうかお任せくださいますと幸いです。
新宿店 豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]
服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長